【注意】感電します!
LEDが照明に使われ始めてまだ数年足らずですが、予想よりはるかに速いペースで普及が進んでいるようです。一旦普及が始まると技術革新はめざましいものがあり、このままいくと10年代後半には蛍光ランプのシェアを追い越しそうな勢いです。当初問題になっていた効率や演色性も徐々に改善し、それらの性能も蛍光ランプを上回りはじめています。
白色LEDチップ自体も安価に入手できるようになっているので、これを使ってオリジナルな照明を作ってみるのも良いと思います。今回は、作業台の古くなった照明(150Wハロゲン電球)の等価更新として、LED照明を製作してみました。
LEDの点灯とは言っても、Lチカなどとは違い照明用ともなるとそれなりの電力になるため、専用の駆動回路(バラスト)が必要になります。バラストとは安定器のことで、照明分野においては方式(チョーク式かSMPS式か)によらずバラストと呼んでいるようです。右の図に製作したLEDバラストの基板と回路図を示します。回路トポロジは典型的なバック・コンバータで、動作については特に説明するまでも無いと思います。出力は非絶縁となるため、負荷回路、特にLEDのマウントなどにおいては適切な絶縁を確保する必要があります。ベンチでテストするときは、少なくとも絶縁トランスは使わないと危険です。
回路部品には専用ICを避け汎用品だけを選んだため、再現性良く手軽に製作することができるでしょう。トランスT1は自作する必要がありますが、トランスにした理由は制御回路用の補助電源を得るためです。LEDの構成を変えて出力電圧が変わる場合は、OFF期間にAWに誘起する電圧が20V程度になるように巻き数を選んでください。トランスの自作さえめんどいという場合は、R1を12kΩ/3Wに変更することでロスの増大と引き替えにT1を普通のインダクタ(2mH/1A程度)に置き換えることもできます。出力電流を可変にする場合は、R5をトリマにしてください。この回路のままで50W程度までいけるでしょう。
LED照明の最大の欠点は、光源が熱に弱いということです。LEDは半導体なので当然ですが、これは従来のガラス系光源には無かったことで、「この雨合羽は水に弱いので傘が必要です」というのと同じくらい困ったことといえます。これにより温度管理ためのコストが大きなものとなり、それだけLED照明の利点を減殺しています。灯具デザインの小型化も困難で、投光器などはさながらヒートシンクのお化けといった感じです。
さて、今回使用したLEDはシャープ製のGW5BTJ50K03(10W/5000K)で、これを4個直列にしてヒートシンクに直接マウントしました。右の写真に組み立てた様子を示します。このLEDはセラミック基板上に実装されたCOBモジュールなので、熱抵抗が低くヒートシンクとの絶縁も容易です。使用したサイズ(100×100×25mm)のヒートシンクの場合、自然空冷では15~20W程度、強制空冷でもその数倍が限界です。クーリング・ファンの使用は避けたいところですが、今回は10W×4=40Wになるので必要になります。ファンの電源は、1個のLEDから数%程度の電力を拝借することで得ています。ファンの故障はLEDの焼損に繋がるので、温度ヒューズによる保護も必要になります。
LEDはそのままでは点光源に近いので、演出意図がない限りディフューザーで柔らかな拡散光となるようにした方が良いでしょう。今回はアクリルの型板を取り付けて拡散させています。このシャープLEDは秋月で扱っていて、パワーは3/6/10W、色温度は2700K(電球色)/5000K(昼白色)/6500K(昼光色)が揃えられています。ハロゲン電球の置き換えなので、3000~4000Kのタイプがあればなお良かったのですが...
